2020年8月9日日曜日

テレビの奴隷になってしまったエレカシ

いや〜。NHKでやってた「ライブエール」観てたけどさ、もう、テレビにちゃんとした音楽番組を求めるのは無理なんだなと思ったよね。なんと言っても、「音楽でひとつに」、「音楽で勇気づける」、みたいな価値観の押し付けが非常に寒いんだよね。そういうものっていうのは、あくまで曲を聴いて感じるもので、テレビ側が率先して押し付けるものではないと思うのよ。テレビは、良い場所と音響を提供して、最高のカメラワークでアーティストを映し出す、それさえできていれば十分なのに、ほんと余計なことしちゃう。で、今のこの手の番組っていうのは、もうその最低限のことすらできていないのよね。観ていて悲しくなってきちゃったよ、まったく。

その中でも、うわ〜これキツかったなっていうのが、エレファントカシマシの演出で。エレカシって、今年この手の番組(コロナ渦でも頑張ろう的な企画)に3回くらい呼ばれたと思うんだけど、その3回とも全部「俺たちの明日」なんだよね。さすがに、もう、良いっつーの。しかも、生演奏でもなくて、カラオケ垂れ流して、他のメンバーは置物みたいになるっていう。どうせ、こういう大変な時に誰を呼ぼうか。うーん、エレカシ呼ぼう。で、頑張るっていう歌詞が入ってるから「俺たちの明日」を歌ってもらおう。っていうあまりにも安直すぎる思考回路がもう見え見えでキツいキツい。あと、最近のテレビでエレカシが登場する時っていうのは、だいたい宮本が縦横無尽にいろんなところを動き回るっていうやつがあるんだよね。それもさ、カメラマンとか、司会者とかそういうところに行ってくださいねっていう、あからさまな予定調和な感じがして、もう寒気がしたよね。

今回は、宮本が下北沢SHELTERに行って、ライブハウスの現状を特集していたんだけど(その前の「おはよう日本」でも)、そこでさ、「ぜひ、ライブに呼んでください」って宮本が言ってたのよ。あ、これ、テレビと下北沢SHELTERとを繋いで、そこで生演奏するフリなのかなって。普通に考えれば、そう思っちゃうじゃん。というか、ライブハウス的の状況的にもそっちの方が絶対にいいでしょ。で、25年前そこで、苦境になった自分たちを復活づける曲、「悲しみの果て」みたいに紹介されたらさ、もう視聴者は『そこで、「悲しみの果て」演奏したらさぞかしかっこいいだろうなぁ......』ってなると思うのよ。でも、聞こえてきたのはNHKホールでアテ振りの「俺たちの明日」......。

なんかさ、彼らはこんなこと、ほんとにやりたいと思っているのかなと思ってもしまうのよ。まあ、それを快諾したから演奏(?)している訳で。そうなってくるともう、テレビの奴隷じゃん。飼いならしているようで、飼い慣らされてるじゃん。まあ、昨今のテレビは、視聴率を取るために平べった〜い需要にしか答えられないし、そもそもお金もないしで、音楽が好きな人はもちろん、それを観て音楽を好きになる程の感動をもたらすものは作れないんだろうね。宮本がDragon Ashと「ガストロンジャー」でコラボしたときの尖ったテレビはどこへやら。悲しくなっちゃうよね、まったく。